トラウマ文学館/編 頭木弘樹
誰しも、子供の頃などに読んで、トラウマのようになってしまっている物語があるもの。タイトルも作者も忘れてしまっても、物語の肝心なところは、忘れようにも忘れられない。そして、もしかすると、それを読んだことが、今の自分に大きく影響しているのかもしれない…。そんな物語ばかりが集めてある文学館。ここを訪れてしまったら、出てくるときには、もう前と同じ自分ではいられない…。
大好評の『絶望図書館』第2弾! もう思い出したくもないという読書体験が誰にもあるはず。洋の東西、ジャンルを問わずそんなトラウマ作品を結集!
著者プロフィール
頭木 弘樹 (カシラギ ヒロキ) (編)
文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳。その他の編訳書に『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』(飛鳥新社)。監修書に『マンガで読む 絶望名人カフカの人生論』平松昭子(飛鳥新社)。著書に『絶望読書──苦悩の時期、私を救った本』(飛鳥新社)『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)がある。NHK「ラジオ深夜便」の「絶望名言」のコーナーに出演中。
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目次
トラウマ文学館 ご注意事項
第一展示室「子どもの頃のトラウマ」
[とりかえしのつかないことが現実に起きるというトラウマ]
少女漫画棚
はじめての家族旅行 直野祥子★
[他の人たちが楽しそうなときに自分は倒れそうというトラウマ]
児童文学棚
気絶人形 原民喜★
第二展示室「思春期のトラウマ」
[大人の執着や妄念が理解できないというトラウマ]
韓国文学棚
テレビの受信料とパンツ 李清俊(イ・チョンジュン)[斎藤真理子 初訳]★
[アイデンティティーのゆらぎというトラウマ]
SF棚
なりかわり フィリップ・K・ディック[品川亮 新訳]
第三展示室「青年期のトラウマ」
[理解できない出来事が起きうるというトラウマ]
追いかけられホラー棚
走る取的 筒井康隆
[どんなに頑張ってもむくわれないというトラウマ]
現代文学棚
運搬 大江健三郎★
第四展示室「大人になって読んでもトラウマ」
[次の瞬間、人は何をするかわからないというトラウマ]
アメリカ南部文学棚
田舎の善人 フラナリー・オコナー[品川亮 新訳]★
[何を考えているかわからない人の内面を知るというトラウマ]
昭和文学棚
絢爛の椅子 深沢七郎
第五展示室「中年期のトラウマ」
[秘密を打ち明けられることの怖さというトラウマ]
ロシア文学棚
不思議な客(『カラマーゾフの兄弟』より) ドストエフスキー[秋草俊一郎 新訳]★
[動物と心がかよってなどいないというトラウマ]
劇画棚
野犬 白土三平
第六展示室「老年期のトラウマ」
[ふらふらと死に誘いこまれそうになるというトラウマ]
明治文学棚
首懸の松(『吾輩は猫である」より) 夏目漱石
[逃げ出すべきなのに自分の居場所に戻ってきてしまうというトラウマ]
ソビエト文学棚★
たき火とアリ ソルジェニーツィン [秋草俊一郎 新訳]
喫茶室TRAUMA番外編
誰も正体をつきとめられなかった幻のトラウマドラマ
あとがきと作品解説

